2020-04-23

スポーツカーの帝王・ポルシェから現れた「新しい形のスポーツカー」カイエンの有り余る魅力

あれは確か2003年の東京モーターショーだったと思います。ぼくがポルシェ・カイエンを初めて見たのは。



「全体的なフォルムというか雰囲気は何となくポルシェなんだけど、なんかでかい」というのが第一印象でした。



SUV?スポーツカー?




同じ会場に展示されていたフォルクスワーゲン・トゥアレグと基本的にプラットホームが共通、というのは事前のお勉強で知っていたのですが、やっぱりこれはポルシェやなあという形をしていて、まとってる空気みたいなのがまったく違うんですよね。ちなみにトゥアレグの印象は、とにかく「キャンペーンモデルのお姉さん(たぶんドイツの人?)がでかいね」でした。トゥアレグの向こうに立ってらっしゃるのに肩から上が見えてる、という大変な長身で、そっちばっかり見てしまってたんですね……。フォルクスワーゲンさん、ごめんなさい。



アスファルトから飛び出したポルシェ?




あの時に見たカイエンは初代前期型と呼ばれる955型でした。誰がどう見てもSUVなんですが、ポルシェは「新しい形のスポーツカー」といっていました。そしてターボモデルの450psというスペックに「うおおおっ」となったのを覚えています。今ではわりと当たり前に(?)400psとか500psとか聞くようになりましたが、当時はあまり見たことのない大馬力でした。



そしてその450という数字は、ポルシェ好きとしてはあの959を思い起こさずにはいられなかったのです。



そう、ポルシェが技術の粋を投入して作り上げた実験的な4WDスーパーカー、959です。もともとはWRCを狙って作られたもののグループBの廃止で参戦できず、しかしパリ・ダカールラリーで圧倒的な強さを見せつけて優勝した、もはや伝説的なモデルです。あれのエンジンが450psでした。ものすごい、一体どんなパワーなんだろう、なんてひとりもんもんとしていた、あの記憶が蘇ったのですね。同時に959で「ポルシェはアスファルトの上を走るもの」というイメージから「ダートを走ってもかっこいいよなぁ」に変わりました。



そんなこんなでカイエンは、ぼくの中では「なんか大きくてすごいポルシェ」ということになりました。非常にざっくりしていて申し訳ないです。
ちなみに「カイエン」という名前は、カイエン・ペッパーというめっちゃ辛い唐辛子の名前から来ているという説が有力です。ボディは大きくてもぴりりと辛い、ということでしょうか。



955型から957型へ




955型は2002年にデビューしたのですが、2006年には早くもモデルチェンジして957型になります。形式が変更されたものの内容はマイナーチェンジで、変わったのは外装が少し新しくなったことと、エンジンの排気量アップ、直噴化くらいでした。



955型カイエンのベーシックモデルに搭載されていたエンジンは、フォルクスワーゲン製VR6型エンジンを元に、ヘッド周りなどをポルシェが開発・製作して手を入れたものです。狭角のV型6気筒エンジンで、ストレート6のように滑らかな吹け上がりといわれます。排気量は3188cc、250ps/6000rpmのパワーを発生しました。



957型では排気量が3598ccになって、290ps/6200rpmにパワーアップしています。また、もともとポルシェとフォルクスワーゲンが共同で開発した車輌ですから、エンジンだけではなくその他の部品もフォルクスワーゲン・トゥアレグと共通のものが多くて、部品の供給など安心なばかりでなく、比較的値段もリーズナブルなものが手に入ります。この辺り、他のポルシェよりも維持費がかからないという強みがあります。



いまスポーツカー出身のSUVが熱い…のかな




SUVというと、もともとランドローバーやジープといったクロカン四駆から進化してきた印象がありますが、近頃ではBMWやアルファ・ロメオ、ランボルギーニなども進出してきて、クーペのようなスタイルのスポーティなものが多くなっていますね。



ランボルギーニというと昔、ランボルギーニ・チーターというのがスーパーカー少年の間では異端的な人気者でした。これはショーモデルでしたが、タミヤ模型がRC化したりしたのもあってかなりメジャーになりましたね。その後これは進化して市販車LM002になりました。こうしてみるとランボルギーニは結構昔からSUVを作っていた、といえるかも知れません。って、これは余談ですが。



カイエンは、ポルシェのポリシーとアイデンティティを持ったスポーティな高級SUVです。かつて憧れた方も多いでしょう。値段がこなれてきている今、ぜひ乗っておきたい一台ですね。仲間と一緒にカイエンを買って「カイエン隊」を結成する、なんていうベタなネタもありかもしれません(ないわ)。



[ライター/小嶋あきら]

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