2020-06-19

シルキーシックスの心臓を持ったホットなロードスター、BMW Z4M

小ぶりなボディのスポーティなオープンカー、いわゆる「ロードスター」というジャンルのクルマは、一時絶滅の危機に瀕していたといわれます。
「こういうクルマは売れないだろう」と思われていたのですね、きっと。



ロードスターの復権




しかし1989年にマツダがユーノス・ロードスターを出すとこれが大ヒット、こういうクルマを待ち望んでいた潜在的なニーズが有ったのだ、ということで各社一気に出してきました。MGのMGF、フィアットのバルケッタ、メルセデス・ベンツのSLK、ポルシェ・ボクスター、そしてBMWのZ3…。



コンパクトでシンプルなオープンスポーツカーって、やっぱりクルマ好きにとっては絶対に気になるカテゴリーですよね。これが嫌いな人ってあんまり居ないでしょ、っていうような。実際の「速さ」よりも「速く走ってる気分」って、やっぱり大事だと思うんですよね。もちろんブガッティ・ベイロンみたいな実際にとてつもなく速いクルマも素晴らしいでしょうし、最高速度400km/hというような有無を言わせない数字の性能にも憧れて当然なんですが。でも日常的な速度プラスアルファ、ちょっと頑張ってみました、っていう範囲で「速さ」を感じられる、楽しめる性能っていうのはやっぱり嬉しいもんなんですよね。



TOP GEARを思い出す?




かのTOP GEARでも「バルケッタとZ3、MX-5(ユーノス・ロードスター)の三台で政情不安定な地域を横切ってエルサレムへ行く」なんていう企画がありましたが、その車種選択のセンスと道中のめちゃくちゃぶりがとても秀逸でした。



しかしここで登場してたZ3はATがいまいちスポーティじゃないなどと、どうも評価が芳しくなかったんですよね。



あれがもしZ4だったら、当然のことながらきっと評価はまったく違ってたと思います。Z3の生産が終了したあとにZ4が出たので、Z4はZ3の後継と思われがちですが、実は同じ時期に開発されていたまったく別々のクルマです。さらにいえば、上位機種です。Z3に比べてZ4は車格も少し大きいですね。



ストレートシックスを積んだ新しいロードスター




デビューした当初は全グレード直列六気筒でした。そう、BMWのストレートシックスです。前にも書きましたが、レシプロエンジンで一次振動、二次振動、さらに回転による偶力のすべてを打ち消し合う理想のレイアウトは直列六気筒なんですね。特にBMWのそれは「シルキーシックス」と呼ばれる、スムーズかつ伸びやか、そしてパワフルな伝統のお家芸ともいえるエンジンなのです。



そして今回ご紹介するのはZ4の中でも「M」の名を戴く、Z4Mロードスターです。E46タイプのM3と同じ、DOHC直列六気筒S54B32エンジンを搭載しています。このエンジン、3.2リッター自然吸気で343ps/37.2kgmの強力なパワーを発生します。さらに組み合わされるミッションは6速MT。なお、ソフトトップは電動式になっています。



小柄なオープンタイプボディにこのエンジン、そしてマニュアルトランスミッション。これはもう、こうして書いていてもその楽しさがリアルに思い起こされて、居ても立ってもいられません。って座ってるんですが。



いま、Z4Mをお薦めする理由




2003年に登場してから2008年までのZ4、ロードスターモデルはE85、クーペタイプはE86と呼ばれます。これはその後2009年のモデルチェンジで、E89に統合されます。クーペタイプの格納式ルーフになって、ロードスターとの区別がなくなったのですね。



確かに進化ではありますが、しかしソフトトップのロードスターは屋根の軽さが魅力の一つということもありますし、マイナーチェンジ前のE85、特にZ4Mはプレミアムな一台ということができるでしょう。



生産が終わって12年、そろそろ値段もこなれてきた時期で、しかしまだまだ楽しめる、そんな年式です。同時に程度のいい個体が少なくなってくる頃でもありますので、もしも「これ!」という出物に出会ったら、それはもういっとくしかない。そんなモデルではないでしょうか。



[ライター/小嶋あきら]

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