2020-07-16

知る人ぞ知る限定20台、日本向けオンリーの996GTエディション

限定モデル、リミテッドエディション。なんと魅力的なワードなんでしょうか。



資本主義経済の原則として(ってちょっと大きく出てしまいましたが大丈夫なんか自分)ものの値段、価値というものは需要と供給のバランスで決まるわけです。供給側の数量、つまり生産数をググッと絞れば、たとえ需要が大きくならなくても価値は上がるわけですよね。そしてそれがポルシェで、限定数が二桁、わずか20台となると。やはり黙ってられない人は絶対に居ますよね。きっと100人は居ます。たぶん。知らんけど。ほんと。



限定という魔の力




そこへ供給が20台ですよ。「希少」というこれまた強烈な魔力を持ったワードがプラスされて、これはもうかなり大変なことになりますよね。
今回はそんな希少なポルシェをご紹介します。



911の転換点、996タイプ




ベースは初期の996タイプ911です。デビュー当時、トラディショナルな911ファンからは「ちょっとこれは…」と言われた涙目タイプの911ですね。確かにそれまでの911から「この辺りで急に姿形が変わったなあ」という転換点です。どうしても拒否反応は出て仕方ないです。



だいたいドイツのメーカーの「どうこれ?いいでしょ、進化しましたよ」に対して特に日本のファンが「えー…」って反応する、この流れってよくありますよね。たとえばBMWの二輪車。伝統の水平対向二気筒エンジンがそろそろ時代遅れだからと四気筒に移行しようとしたらファンから大ブーイング、結局また二気筒の新しいシリーズを開発して継続とか。ライカもM5で一気に形を変えたらこれまた不評でM6で元の形に戻ったとか。当の911も、ポルシェとしては928を進化形として作り出したもののやはり911人気が根強くて断念したり、いろいろありましたよね。





901から930のあの形こそが911でしょ、っていうのが強かったんでしょうね。実際ぼくもそう感じます。全然オーナーじゃないですけど。それで964まではできるだけイメージを変えないように進化させて、993で「ちょっと変えてみても良いかな?」と様子を見て、この996で一気に「えいやっ」とやってしまった、という感じかなあと思います。



涙目タイプの911。1997年にデビューして、2001年のターボでは早々に丸目に変わってしまいました。しかしこれも20年以上経って見慣れたというか、いま改めて見るとこれはこれでいいよね、という感じがぼくはするのですがあなたそうは思いませんか?



日本向け限定GTエディション




この涙目時代の996の3.4リッターNAエンジンモデルをベースにチューニングを施された「GTエディション」が2000年、日本向けに20台だけ作られたのです。



限定モデルということで、シフトノブやサイドブレーキレバーが専用のアルミニウム製、レザー仕上げになっています。ホイールも専用の18インチスポーツデザインホイールです。さらに足回りがチューンされ、車高が10ミリ下がっています。10ミリというとたったの1センチですが、元々低く設定されているであろうポルシェで、この1センチはかなり印象が変わるはずです。



たとえばモンスタートラックみたいに「相手を踏んだ方が勝ち」という流派だったら車高は高いに越したことはないですが、ポルシェは当然スポーツカーなので低い方が偉いのです。重心が低い方がコーナーで安定する、とかそういう当然の理由だけではなく、なによりかっこいいですから。



そしてエンジン。カムシャフトの変更とコンピューターのセッティングでノーマル比20馬力アップです。300馬力が320馬力というとあまり変わらないように思われるかもしれませんが、20馬力というと250ccのスクーターのエンジン一つ分です。初期型のシトロエン2CVは9馬力でしたが最高速度55キロ出たといいますから、20馬力は侮れないです(わかったようなわからないような例えですね)。
あまりにも少ない生産数なので、かなりポルシェに詳しい人でも気がつかないかもしれません。しかし知ってる人が見るときっと驚く、そんな通好みの限定モデル「GTエディション」。もしも出会ってしまったら…。そう、スルーできない一台ですね。



[ライター/小嶋あきら]

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